ブルーラジカル
歯周病が治りにくい、治療が難しい理由
歯周病の原因は、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに潜む「プラーク」や「歯石」です。
通常の歯周病治療では、「スケーラー」と呼ばれる器具を使って汚れを物理的に掻き出します。しかし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、器具がポケットの底まで届きにくくなり、取り残してしまうケースが多くなります。取り残された細菌が再び増殖し、炎症を繰り返すことが治療を長引かせる最大の原因です。
次に、生活習慣の問題です。例えば、仕事が忙しくて睡眠不足が続いたり、強いストレスを感じたりすると、体の抵抗力が落ちて風邪をひきやすくなります。実は、それと全く同じことがお口の中でも起きているのです。
生活習慣の乱れは体の免疫力を低下させ、歯周病菌が活動しやすい環境を作り出してしまいます。せっかく歯科医院で細菌を減らしても、ご自身の体の防御力が弱っていては、細菌の勢いを抑え込むことが難しくなります。
さらに、悪いかみ合わせや歯ぎしり、食いしばりも歯周病を悪化させる一因です。歯を支えている骨(歯槽骨)に負担が集中し、骨の吸収を早めてしまうことがあります。細菌による炎症に、力によるダメージが加わることで歯周病はさらに悪化しやすくなるのです。
歯周病の改善には、患者様ご自身の生活習慣の見直しやかみ合わせの調整といった、多角的なアプローチも欠かせません。しかし、核となるのは炎症を引き起こしている直接的な原因、つまり歯周ポケットの奥深くに潜む細菌を確実に取り除くことです。
歯周病治療の新しい選択肢「ブルーラジカル」とは?

ブルーラジカルは従来の超音波による「プラークや歯石の物理的な除去」に、光化学作用による「化学的な殺菌」のアプローチを組み合わせた、次世代の歯周病治療システムです。
まず、これまでの治療と同様に超音波の振動で歯の表面に付着した歯石やプラークを効率的に破壊・除去します。そして、低濃度の過酸化水素水を歯周ポケットに注入し、そこに青色光(波長405nm)を照射。すると、光のエネルギーに反応して「フリーラジカル」が発生します。
フリーラジカルは、歯周病菌の細胞膜を直接破壊する性質があり、薬剤が効きにくい細菌にも高い殺菌効果を発揮します。人の細胞への影響はごくわずかで、有害な細菌を選択的に攻撃してくれるのが特徴です。
ブルーラジカルは物理的除去と化学的殺菌の二段階アプローチにより、通常の治療では取り除ききれなかった歯周ポケット深部の細菌を効果的に除去できます。
従来の治療法とはどこが違う?
ここでは従来の方法とブルーラジカル治療の違いについて解説します。
従来の歯周病治療
歯周病の治療と聞くと、多くの方が「歯石取り」を思い浮かべるのではないでしょうか?
歯科医院ではスケーラーを使って、歯周ポケットに隠れた歯石やプラークを丁寧に取り除いていきます。これは「スケーリング」や「ルートプレーニング」と呼ばれる、歯周病治療の基本となる処置です。
しかし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、器具が溝の奥まで物理的に届かなくなり、細菌を完全に除去できないケースが生じます。実際に、重度の歯周病では前歯で約11%、奥歯では約21%の部位で十分な改善が難しいとされています。
こうした取り残しや細菌の再繁殖を防ぐため、外科手術で歯ぐきを切開したり、抗菌薬(抗生物質)を処方したりする場合も少なくありません。しかし、抗菌薬には副作用のリスクがあり、また薬が効かない「耐性菌」を生み出してしまうリスクも考慮する必要があります。
ブルーラジカル治療
ブルーラジカル治療は、従来の超音波による物理的な清掃に、光と薬剤による化学的な殺菌作用を組み合わせたアプローチです。
歯周病菌が潜んでいる場所に超音波スケーラーを挿入し、光を当てることで殺菌効果を持つ物質を発生させ、歯周病菌を効果的に殺菌します。器具による清掃では届きにくかった場所にもアプローチできます。
また、抗菌薬に頼る必要性が減るため、副作用や耐性菌のリスクを抑えられるのもメリットと言えるでしょう。
物理的な清掃と化学的な殺菌を同時に行うことで、患者様の負担を抑えながら効果的な歯周病治療を行うことが可能です。
ブルーラジカル治療5つのメリット
ブルーラジカル治療は、以下のメリットがあります。
- Merit.01メスを使わないから体への負担が少ない
-
メスで歯ぐきを切開したり縫合したりする必要がありません。そのため、外科手術と比べて治療中の痛みや治療後の腫れを抑えられるのが特長です。
また、回復にかかる期間も短縮できるため、日常生活への影響も少なくて済みます。 - Merit.02優れた殺菌効果で重度の歯周病にも対応
- 光化学作用により、深い歯周ポケットの底に潜む頑固な歯周病菌まで殺菌します。これにより、歯ぐきの炎症や出血、排膿(歯ぐきから膿が出ること)といった、進行した歯周病の症状にも改善が期待できます。
- Merit.03抗菌薬(抗生物質)の使用を減らせる
- 従来の治療では、補助的に抗菌薬を長期間服用することがあります。しかし、副作用や薬が効きにくくなるリスクもゼロではありません。ブルーラジカル治療は、全身に影響する薬に頼ることなく、悪い菌だけを狙い撃ちできます。全身への影響がある抗菌薬の使用を最小限に留めることが可能です。
- Merit.04治療後の再発リスクを低減できる
- 歯周病の原因となる細菌そのものを減らせるので、口腔内の健康状態が安定しやすくなります。治療後も適切なセルフケアとメインテナンスを続けることで再発を防ぎ、長期的に安定した状態を目指すことができます。
- Merit.051回あたりの治療時間が短い
- 外科手術を伴わないため、1回あたりの治療が比較的短時間で完了します。お仕事などで忙しい方でも治療スケジュールを組みやすく、無理なく通院を続けやすいというメリットがあります。
当院の取り組み
~常に業界の最先端を。最新の認定資格取得への挑戦~

2025年7月、日本で新たに「ブルーラジカル認定衛生士」制度が発足しました。これは、予防歯科における高度な知識と技術を証明する、まったく新しい専門資格です。
患者様により質の高い医療を提供したいという想いから、丸森歯科医院ではこの新しい資格制度にいち早く注目。現在、3名の歯科衛生士が、全国でも先駆けて第一期の認定取得に向けた専門トレーニングに励んでおります。
常に最新の知見を取り入れ、進化し続けること。それが、患者様一人ひとりのお口の未来を守るための、私たちの責任です。最先端の歯周病治療、予防歯科の今後にご期待下さい。
テレビやメディアでも特集されています
ブルーラジカルを使った治療の流れ
ブルーラジカル治療の流れは以下の通りです。
- 01
カウンセリング
はじめに、患者様が抱えるお悩みや治療へのご希望を詳しくお伺いします。
歯周病の状態はもちろん、治療に対する不安や疑問点など、どのようなことでも気兼ねなくお話しください。治療計画や費用の見込みについても、分かりやすくご説明いたします。 - 02
精密検査
次に、レントゲン撮影や歯周ポケットの深さの測定など、お口の状態を詳しく把握するための検査を行います。検査結果に基づき、歯周病の進行度や原因を正確に診断します。
- 03
ブルーラジカル治療
歯周病に感染している歯の歯周ポケットに専用のチップを挿入します。超音波で歯石を除去しながら、過酸化水素水を注入し、青色光を照射して殺菌します。
治療中の痛みがご心配な方には局所麻酔も使用できますので、遠慮なくお申し付けください。 - 04
術後の経過確認・メインテナンス
歯周病は治療して終わり、ではありません。生活習慣とも関わりが深く、再発しやすい性質があるため、治療で取り戻した健康な状態を「長く維持していく」ことが大切です。
そのため、治療後の経過をきちんと確認させていただき、今後のメインテナンス計画について一緒に考えていきます。
費用について
| カウンセリング・検査・レントゲン・CT費用 | ¥22,000 |
|---|---|
| ブルーラジカル 治療費 1本 1回 | ¥16,500 |
| 再評価代 | ¥2,200 |
※歯周病の状態によては、SC,SRP等の歯周基本治療から実施していく可能性もあります。
※当日施術ご希望の場合は、紹介状等ご持参にて、カウンセリング代22,000円+治療費用16,500円×本数分にて、施術できる場合があります。ご相談くださいませ。
ブルーラジカル治療の注意点
ブルーラジカル治療は以下に該当する方は、安全上の理由から治療を受けることはできません。
- 妊娠中の方
- 心臓ペースメーカーなど、体内に医療機器を装着されている方(治療で用いる超音波が影響を及ぼす可能性があるため)
- 骨粗しょう症治療薬のBP製剤などを服用中の方
- 無カタラーゼ症(過酸化水素を分解する酵素が生まれつき少ない疾患)の方
- 光過敏症(特定の光に対して過敏な反応を示す疾患)の方
- 使用する薬剤や局所麻酔にアレルギーをお持ちの方
なお、あらかじめ理解しておきたいこともあります。
ブルーラジカル治療は、使用する薬剤の作用により、歯ぐきが一時的に白くなることがあります。ただし、これは正常な反応で、通常は数時間から1日程度で自然な色に戻ります。
また、ブルーラジカル治療は、効果を引き出すために準備が必要です。歯石などが多く付着した状態では、光や薬剤が細菌に届かず、本来の効果を発揮しにくくなってしまいます。そこで、ブルーラジカル治療を始める前には、まず歯石除去やブラッシング指導といった基本的な歯周病治療で、お口の中を整えることからスタートするのが一般的です。
そして、ここがとても大切なポイントなのですが、ブルーラジカル治療の目的は「歯周病菌を減らし、病気の進行を食い止め、歯ぐきの健康を取り戻すこと」にあります。残念ながら、重度の歯周病によって一度溶けてしまった顎の骨や大きく下がってしまった歯ぐきを再生させる治療ではありません。
よくある質問
- ブルーラジカル治療は、本当に痛くないのでしょうか?
- ほとんど痛みはありません。従来の歯周病治療のように歯茎を切ったり、深く麻酔をしたりといった処置は不要です。温かい風が当たるような感覚で、リラックスして治療を受けていただけます。
- 治療は何回くらい通う必要がありますか?
- 歯周病の進行度合いや治療範囲によって異なります。軽度の場合は1〜数回で終わることもありますが、重度の場合は定期的な通院が必要になります。初診時に丁寧なカウンセリングを行い、患者様一人ひとりに合わせた治療計画をご提案しますのでご安心ください。
- 保険は適用されますか?
- ブルーラジカル治療は、現在のところ健康保険の適用外となります。そのため、治療費は全額自己負担となります。費用についても、カウンセリングの際に詳しくご説明しますので、お気軽にご相談ください。
- 誰でもブルーラジカル治療を受けられますか?
- 基本的にはほとんどの方が治療を受けられます。ただし、妊娠中の方や心臓にペースメーカーを装着されている方など、一部治療が適さないケースもあります。問診の際に詳しくお伺いしますので、ご不明な点があればお伝えください。
- ブルーラジカル治療後の注意点はありますか?
- 治療後も、日頃の丁寧な歯磨きと定期的なメンテナンスが非常に重要です。ブルーラジカルは歯周病の原因菌を効果的に殺菌しますが、その後のケアを怠ると再発のリスクがあります。当院では治療後のアフターケアにも力を入れていますので、一緒に健康な歯周環境を維持していきましょう。
